目次
奪われたのではない。“置いてきた”だけだ
「本当はもっとやれるはずだった」
「こんなもんじゃないと思ってた」
けれど、現実に流され、気づけば“誇りの場所”から遠ざかっていた──
そんな感覚を抱いたことはないだろうか。
でも、それは誰かに奪われたわけじゃない。
自分で、一度、置いてきただけだ。
諦めるしかなかった時期があった。
周りに合わせるしかなかった場面もあった。
それでも──
“取り戻す”という選択肢は、いつだって残されている。
王とは、導く者ではない。“背を見せられる者”であるべきだと、わたしは思う。
「王座」とは、他人の評価ではない
「王座」と聞くと、偉そうに思われるかもしれない。
けれど、ここでいう“王座”とは、
自分が自分の人生を引き受ける覚悟のことだ。
・誰かの承認を得るためでも
・社会に示す肩書きでも
・特別な才能の証でもなく
ただ──
「これは、自分の物語だ」と言える場所に戻ること。
自分の声で決断し、
自分の足で進み、
その道の責任と誇りを、自分の中に取り戻すこと。
王座とは、
外にある椅子ではない。
心の中にある“納得の座標”なのだ。
いつから自分に“座る資格”がないと思ったのか
いつからか、心の中でこうつぶやくようになっていた。
「わたしなんかが、堂々と立っちゃいけない」
「その位置にふさわしいのは、もっとすごい人だ」
そう思わせたものは何だったのか?
・周囲との比較
・積み重ねた失敗
・いつの間にか背負った“控えめでいるべき”という癖
けれど──思い出してほしい。
かつては自分も、その“場所”に憧れていたはずだ。
誰に許可をもらう必要もなく、
ただ「自分がそこに立ちたい」と願っていた時期があった。
“王座”は、誰かのジャッジで奪われたわけじゃない。
自分が、自分を信じることをやめた時に、遠ざかっただけだ。
誇りは、比較の先には見つからない
他人と比べ続けるかぎり、誇りは霞んでいく。
なぜなら、誇りとは“差”ではなく、“芯”に宿るものだからだ。
・他人より優れている
・他人より早く進んでいる
・他人より多く得ている
これらは、ただの“結果”であり、“外側”の話だ。
誇りとは、もっと内側──
「自分が、自分を裏切らなかった」と言えること。
誰に知られなくてもいい。
評価されなくてもいい。
“わたしは、わたしの火種を消さなかった”
そう言える瞬間に、誇りは生まれる。
比べなくていい。
自分の人生を、自分の構図で取り戻すこと。
それが、王座への第一歩になる。
静かな挑戦を、“物語”として始める方法
挑戦というと、何か大きな決断や変化を思い浮かべるかもしれない。
けれど、わたしは思う。
本当の挑戦は、もっと静かで、もっと日常的なものだ。
・今日、はじめて自分の意志で「断る」と決める
・ひとつの選択を、もう一度「選び直す」
・かつて手放した夢を、再びメモに書いてみる
そんな小さな行動が、
“自分の物語の再開地点”になる。
王座を取り戻す物語は、
劇的な出来事から始まらなくていい。
むしろ、静かに始まった方が、深く根を張る。
今この瞬間、
誰に知られなくても、心の中で「よし」とつぶやいたなら──
それが第一章だ。
剣ではなく、意志で立ち上がれ
奪い返すための戦いではない。
誇りを示すために誰かを打ち負かす必要もない。
この物語に必要なのは──
剣ではなく、意志だ。
・「もう一度、自分の選択で立つ」と決めること
・「逃げない」と言うのではなく、「今の自分を受け入れる」と宣言すること
・過去の傷に対して「それでも歩む」と返すこと
それは、外には見えない戦いかもしれない。
でも、誰よりも深く、自分自身と向き合う勇気を要する。
誰かに勝つためじゃない。
自分の火種をもう一度、手に取り直すために。
剣がなくても、
声を荒げずとも、
意志がある者は、立ち上がれる。
過去の敗北すら、旗の色になる
かつての失敗。
諦めたこと、逃げたこと、傷ついた日々。
それらが「王座にふさわしくない自分」をつくっていると思っているなら──
わたしは否定したい。
敗北は、あなたの色になる。
・失った経験が、他人への理解を深める
・折れた記憶が、選択の慎重さと深さをつくる
・後悔が、誠実さと覚悟に変わる
旗は、ただの布ではない。
何を乗り越え、何を守ってきたかが織り込まれている。
あなたの過去は、恥ではない。
それは、“王座へ戻るための物語の布”だ。
「語れる王座」が、これからの指針になる
王座とは、栄光ではなく、語れる物語のことだと、わたしは思う。
「なぜ自分は、ここに立っているのか」
「どんな意志で、この道を選んだのか」
それを語れる人は、
もう他人の承認に頼る必要がない。
誇張しなくていい。
美化しなくていい。
ただ、歩んできたことに、言葉を与えられるかどうか。
それが、これからの人生の方位磁石になる。
「どんな王座に戻るか」より、
「どんな物語として語れるか」のほうが、
あなたの軸になる。
締め|今、この瞬間から、王座への帰還は始まる
「もう遅い」と思う必要はない。
「今さら」と迷うこともない。
王座とは、誰かが用意するものではなく、
自分で決め、自分の中に築き直すものだから。
かつての自分に、誓いを立ててもいい。
今の自分に、赦しを与えてもいい。
未来の自分に、旗を立ててもいい。
そのすべてが、“王座へ還る一歩”になる。
物語は、いつでも始められる。
そしてその始まりは、
「自分の人生を、もう一度、自分のものとして語ろう」
そう決めた瞬間から始まる。
答えを急ぐ必要はない。
ただ、誓いを忘れず歩むなら──それでいい。